第3章 文 その1 動詞
第1節 動詞
第1項 動詞の人称変化
その1 存在を表すbe動詞の変化
その2 保有を表すhave動詞の変化
その3 動作を表すdo動詞の変化
第2項 動詞を使った文
その1 be動詞を使う表現
その2 have動詞を使う表現
その3 do動詞を使う表現
第3項 自動詞と他動詞
その1 動詞だけで意味が通じる自動詞
その2 対象が必要な他動詞
人・物+状態・性質の表現のところで紹介した文は完全なものではありませんでした。
では、完全な文はどうしたら作れるのでしょうか。
何かについて言いたいとき 主語(何か)+ 動詞 | ||
日本語には、「桜は美しい」のように、動詞の無い形容詞文というものがありますが、英語には必ず文中に動詞が含まれているということが日本語とは違う大きな点の一つです。
第1節 動詞(どうし)
動詞とは、存在(何かがある)、保有(何かを持っている)、動作(何かを行う)を表す言葉で英語の中心になるものです。
第1項 動詞の人称変化
人称とは、代名詞のところでも少し触れましたが、会話をする際の役割(立場)を表すためのものです。話をする当事者を一人称、話をする相手を二人称、それ以外を三人称と言います。人称変化とは、主語により動詞の形が変化することです。
こう書くとなんだか難しそうですが、見ればすぐわかりますので、動詞の変化を実際に見てみましょう。
その1 存在を表すbe動詞の変化
be動詞とは存在を表す動詞で、原形(げんけい:元の形)はbeですが、主語によりam, are, isという3つの変化があります。
原形be
I am.(私は、いる)
We are. (私たちは、いる)
You are. (あなたは、いる)
He is. (彼は、いる)
She is. (彼女は、いる)
They is. (彼らは、いる)
It is. (それは、ある)
上の英文中の太線で示された部分は、英語の英文として成り立つ最小限の部分を表す基本文を示します。それはこの本の最後まで同じです。基本文については第2節で説明します。
その2 保有を表すhave動詞の変化
have動詞とは保有を表す動詞で、原形や三人称単数以外はhaveですが、主語が三人称単数のときは、hasになります。
原形have
三人称単数以外
I have xxxx.(私はxxxxを持っている)
We have xxxx. (私たちはxxxxを持っている)
You have xxxx. (あなたはxxxxを持っている)
They have xxxx. (彼らはxxxxを持っている)
三人称単数
He has xxxx. (彼はxxxxを持っている)
She has xxxx. (彼女はxxxxを持っている)
It has xxxx. (それはxxxxを持っている)
その3 動作を表すdo動詞の変化
ここでいうdo動詞とは、be動詞、have動詞以外のすべての動詞の代表を意味します。原形や三人称単数以外は動詞そのものの形ですが、三人称単数の時は語尾にsあるいはesを付けます。
原形do
三人称単数以外
I do. (私はする)
We do. (私たちはする)
You do. (あなたはする)
They do. (彼らはする)
三人称単数
He does. (彼はする)
She does. (彼女はする)
It does. (それはする)
第2項 動詞を使った文
その1 be動詞を使う表現
それでは「そんざい」を表すbe動詞を使う文を見てみましょう。
人称変化のところで紹介したbe動詞の文は次のとおりです。
I am.(私は、いる)
We are. (私たちは、いる)
You are. (あなたは、いる)
He is. (彼は、いる)
She is. (彼女は、いる)
They are. (彼らは、いる)
It is. (それは、ある)
これらはこれで立派な文なのですが、多くの場合これだけでは「それがどうした」というものなので、もう少し意味のある文にしてみましょう。
それには、これらの文の後に「後ろから説明」する状態・性質を表現する語句を付け足します。これが日本語では「桜は美しい」のような形容詞だけでできている形容詞文に当たるものとなります。
状態・性質の表現を付け加える
これらの文に状態・性質の表現を付け加えると次のような文ができあがります。
I am old.(私は存在し、年をとっている→私は、年をとっている)
We are the champions.(私たちは存在し、チャンピオン→私たちは、チャンピオンだ)
You are young.(あなたは存在し、若い→あなたは、若い)
He is smart.(彼は存在し、頭がいい→彼は、頭がいい)
She is beautiful.(彼女は存在し、美しい→彼女は、美しい)
They are rich.(彼らは存在し、お金持ち→彼らは、お金持ちだ)
It is a pen.(それは存在し、ペン→それは、ペンだ)
その2 have動詞を使う表現
次に保有を表すhave動詞を使う文を見てみましょう。
人称変化のところで紹介したhave動詞の文は次のとおりです。
三人称単数以外
I have xxxx.(私はxxxxを持っている)
We have xxxx. (私たちはxxxxを持っている)
You have xxxx. (あなたはxxxxを持っている)
They have xxxx. (彼らはxxxxを持っている)
三人称単数
He has xxxx. (彼はxxxxを持っている)
She has xxxx. (彼女はxxxxを持っている)
It has xxxx. (それはxxxxを持っている)
be動詞の文とは違い、これらはxxxxの部分が無いときちんとした文にはなりません。
それは、be動詞の「存在する」という文とは違い、have動詞の保有するという文には当然保有するもの(xxxx)が必要だからです。このように動詞そのものが必要とするものを動詞の目的語といいます。
動詞の後に保有するもの(目的語)を置く
have動詞の後に保有するものを置くと次のような文ができあがります 。
三人称単数以外
I have a pen.(私は、ペンを持っている)
We have a dog.(私たちは、犬を持っている)
You have a cat.(私たちは、猫を持っている)
They have a car.(彼らは、車を持っている)
三人称単数
He has power.(彼は、力を持っている)
She has a piano.(彼女は、ピアノを持っている)
It has four legs.(それは、4本の足を持っている)
注意してほしいことは、be動詞の文のときに「後ろから説明」する、状態・性質を表現する語句を付け足したのと違い、have動詞の後に置いた目的語は、動詞自身がそれを必要としているものなのです。存在を表すbe動詞は、それだけで十分意味が成り立ちますが、保有を表すhave動詞には保有するものを示さないと完全には意味が成り立たないのです。
その3 do動詞を使う表現
do動詞とは、be動詞have動詞以外のすべての動詞のことで、動作や感情を表します。
do動詞には、be動詞のように動詞だけで意味が通じるものと、have動詞のように動詞の力が及ぶ対象が必要なものとがあります。
do動詞を使う表現は無数にあり、ここでとても紹介しきれるものではありませんので、以降例文の中でそのつどご紹介しますが、第4章では基本的な動詞をまとめてご紹介していますので参考にしてください。
第3項 自動詞と他動詞
動詞には、be動詞のように対象のいらない自動詞とhave動詞のように対象が必要な他動詞とがあります。
その1 動詞だけで意味が通じる自動詞(じどうし)
自動詞は動詞の力が及ぶ対象物がありません。
人称変化のところで紹介したdo動詞の文は次のとおりです。
三人称単数以外
I do. (私はする)
We do. (私たちはする)
You do. (あなたはする)
They do. (彼らはする)
三人称単数
He does. (彼はする)
She does. (彼女はする)
It does. (それはする)
これらの文のdoをwalk(歩く)という動詞に替えると次のような文ができあがります。
三人称単数以外
I walk.(私は歩く)
We walk.(私たちは歩く)
You walk.(あなたは歩く)
They walk.(彼らは歩く)
三人称単数
He walks.(彼は歩く)
She walks.(彼女は歩く)
It walks.(それは歩く)
その2 対象が必要な他動詞(たどうし)
他動詞は作用をおよぼす対象が必要で、動詞の力が対象(目的語)に移ります。
人称変化のところで紹介したdo動詞の文は次のとおりです。
三人称単数以外
I do. (私はする)
We do. (私たちはする)
You do. (あなたはする)
They do. (彼らはする)
三人称単数
He does. (彼はする)
She does. (彼女はする)
It does. (それはする)
I break the glass.(私はガラスを破る)
We break the glass.(私たちはガラスを破る)
You break the glass.(あなたはガラスを破る)
They break the glass.(彼らはガラスを破る)
三人称単数
He breaks the glass.(彼はガラスを破る)
She breaks the glass.(彼女はガラスを破る)
It breaks the glass.(それはガラスを破る)