第3章 文 その5 その他
第7節 今まで取り上げなかったことなど
第1項 句と節
第2項 関係代名詞
第3項 話法
第4項 仮定法
第7節 今まで取り上げなかったことなど
第1項 句と節
複数の単語が集まって一つの単語のような働きをするものがあります。接続詞のところで取り上げたTaro and Jiro are brothers(太郎と次郎は兄弟だ)のTaro and Jiroのような完全な文の形を取らないものを「句」といい、主語+動詞という文の形を取るものを「節」といいます。
ここまでで取り上げた英文は、主として、活用された動詞が一つの「単文」ばかりでありましたが、文の要素が節になっている「複文」とは、I was happy when I was young.(私は若い頃幸せだった)のように接続詞に導かれることが多く、この文の場合when以下が時を表す副詞節で、状況補語となっています。
節には、副詞節だけではなく、主語や目的語といった「名詞」の役割をはたす名詞節もあります。
この場合、主語として使うときは、That he is rich is good.(彼がお金持ちであることはいいことだ)のようにthatを付けます。これは、thatなしでいきなりHe is richとしてしまうと、そこで一つの文が終わるように感じられるため、thatを付けて主語であることを示しているのです。
この文のように、主語が「節」になる場合、It is good that he is rich. (彼がお金持ちであることはいいことだ)のように、代名詞のitを主語にたて、that以下でその内容を示すのが一般的です。
このようなitは、一般的には「仮主語のit」などと呼ばれ、that以下を指す形式的で何も意味が無いもののように思われがちですが、決して意味のないものではなく、itはその時頭の中に浮かんだことを示しているのです。
それは、私たちが「寒いなあ」と思わずいうとき、英語では”It’s cold.”というのと同じ感覚です。
目的語として使う場合は、I know he is rich.(私は彼がお金持ちであることを知っている)のように、目的語の位置に名詞節を置きます。
この場合I know that he is rich.(私は彼がお金持ちであることを知っている)としても間違いではありませんが、主語として使う場合と異なり、thatが無くても目的語であることは分かるのでthatは省略されることが普通です。
第2項 関係代名詞
This is the book.(これはその本です)
I like it.(私はそれが好きです)
This is the book.のthe bookをI like it.という文で説明したい時があります。
その時は
This is the bookの後にものを表す関係代名詞whichを置きその後にI like it.からthe bookにあたるitを取り除いたI likeを置くと。
This is the book which I like.(これは私の好きな本です)
という文が出来上がります。
She is the girl.(彼女はその女の子です)
I like her.(私は彼女が好きです)
She is the girl who I like.(彼女は私の好きな女の子です)
という文になります。
また、
I know a girl.(私は女の子を知っている)
Her father is an actor.(彼女の父親は俳優だ)
のように、説明したい対象が主語や目的語ではなく所有格になる場合、関係代名詞も所有格の関係代名詞となり
I know a girl whose father is an actor.(私は父親が俳優の女の子を知っている)
となります。
This is not the thing which I want.(これは私が欲しいものではない)
のthe thing whichを1語で表して
This is not what I want. (これは私が欲しいものではない)
という文にする、whatという関係代名詞もあります。
第3項 話法
He said, “You’ll be late for the
meeting.” (彼は、「君は会合に遅れるだろう」と言った)
He said I would be late for the meeting.(彼は、私は会合に遅れるだろうと言った)
人の発言を表すとき、引用符を使って発言をそのまま伝える表現を直接話法と言い、話す人が言い換えて伝える表現を間接話法と言います。
直接話法は、発言者がその時言ったそのままの表現ですが、間接話法は、伝える人の視線での表現となります。
第4項 仮定法
英語には、日本語にはない「法」と呼ばれる表現方法があります。
今まで示してきた例文は、すべて事実をきちんと伝える「直接法」でしたが、根拠がはっきりしなかったり、相手の気持ちを気遣ったりして曖昧に伝えたいときがあります。そういう気持ちを文に載せるのが「仮定法」と呼ばれる表現です。
ちなみに「仮定法」は、しばしば仮定法の構文ということで紹介されたりしますが、構文ということではなく、きちんと伝えるかそれともあやふやな根拠で伝えるかのどちらかの気持ちを文に載せるやり方のことです。
「仮定法」は動詞の緊張形で表現されます。
If I were a bird, I would fly to you.(もし私が鳥だったらあなたの所へ飛んでいくのに)
If I had known that, I would have passed
the test.(もし私がそれを知っていれば試験に合格していただろうに)
以上のような仮定法の文例だけではなく、次のように法助動詞を緊張形にすることでソフトに伝えることができるのも仮定法の使い方の例です。
Would you have sandwich?(サンドウィッチを召し上がりますか?)
I would like to have hamburger.(ハンバーガーが欲しいのですが)