2020年10月14日水曜日

*** もっと詳しく知りたい方に ***

第3章 文 その3 基本構造他



第4節 英語の基本構造


   
         文に対する態度など + 基本文 + 状況補語           
   

基本文はすべての英文に含まれているものですが、基本文だけで伝えたいことすべてが表せるということではありません。そこで、基本文に、基本文に含まれない内容を付け足し、伝えたいことのすべてを表してみましょう。

基本文に、基本文に含まれない内容を付け足したものが、英語の基本構造となります。

 英語の基本構造は、「基本文の前に文に対する態度などを置き、基本文の後に状況補語(じょうきょうほご)を置く」これだけです

基本的にこれですべての事柄を表します。

 

第1項 基本文に付け足す要素

その1 文に対する態度

 「文に対する態度」というのは、伝えようとすることに対して、前もって注釈を伝えることで、日本語でも「僕より早くお母さんが知っていたんだよ」という文に「不思議なことに」という注釈を付け加え、「不思議なことにね、僕より早くお母さんが知っていたんだよ」という文を作るのと同じことです。

 

その2 状況補語

 基本文に付け足す要素を状況補語と言います。状況補語というのは、基本文では伝えきれないすべての事柄を表すものです。

状況補語には、時、場所、様態、量と強め、手段と道具、同伴、原因・理由、目的、材料、行為者、テーマ、価格、衣服、反対、状況、比較などいろいろなものがあります。 

基本文に付け足す状況補語になる要素は、副詞(ふくし)、前置詞句(ぜんちしく)、副詞節(ふくしせつ)という副詞類(ふくしるい)と呼ばれるものです。

基本文+副詞                   I walk slowly.(私はゆっくりと歩く)
基本文+前置詞句             I live in Tokyo.(私は東京に住んでいる)
基本文+副詞節                I like chocolate because it is sweet.(甘いので私はチョコレートが好き)

 

第5節 動詞の変化と表現

  英語は、動詞の形を変えることにより次のことを表します。

時制       いつのことを言っているか
          文に対する気分


第1項 時制(じせい)

 時制とは、「いつの事を言っているのか」を表すやり方のことです。

日本語では、「本がある」という「ル」で終わる文に対して、「本があった」という「タ」で終わる文で過去を表します。

  これまで出てきた動詞はすべて動詞の通常の状態を表す現在形(げんざいけい)と呼ばれるものでしたが、英語では、動詞の現在形を過去形(かこけい)に変えることにより過去を表します。このブログでは現在形のことを通常形(つうじょうけい)、過去形のことを緊張形(きんちょうけい)と呼ぶことにします。

  緊張形は、動詞の通常形に変化を与えたもので、通常形とは違う何かがあることを示したものです。

  英語の動詞には、緊張形を語尾にedを付けて表す規則動詞と、語ごとにさまざまな形をとる不規則動詞があります。

  不規則動詞であるbe動詞の場合は次のように変化します。

 

 通常形                                          緊張形
 am, is                                          was
 are                                              were

 I am happy.
(私は幸せだ)            I was happy.(私は幸せだった)
 He is rich.
(彼はお金持ちだ)         He was rich.(彼はお金持ちだった)
 You are young.
(あなたは若い)    You were young.(あなたは若かった)

 規則動詞であるwalkの場合は次のように変化します。

   通常形                                          緊張形
   walk                                            walked

   I walk.(私は歩く)                      I walked.(私は歩いた)

 動詞の緊張形は辞書に載っています。日本の辞書には巻末に不規則動詞表としてまとめて載っているものもあります。

  不規則動詞はさまざまな形がありますので覚えるのに苦労するように思うかもしれませんが、基本的な動詞がほとんどで、数としてはそれほど多くありませんので、英語の学習を続ける過程で身につけることができるはずです。

  現在と過去とは、動詞の通常形と緊張形を使って表せますが、未来のことはどうやって表したらいいのでしょうか。

 

第2項 未来のことなど起こっていないことの表し方

 未来のことを表すには、いろいろなやり方がありますが、一番多く使われるのが、willという助動詞を使った

I will leave Japan tomorrow.(明日、私は日本を離れます)
のような表現です。

  

その1 法助動詞(ほうじょどうし)

 I will leave japan tomorrow.willのように、後に続く動詞を包み込むような働きをする動詞を助動詞といいますが、法助動詞は、頭の中に浮かんだ判断などを表す助動詞です。

文の中で文を作るため活用されている動詞は、助動詞で、後に来る包み込まれた動詞は活用されていない不定形(原形)になります。

  willのような法助動詞は、主語がheなどの三人称単数であっても一般の動詞が付くsesが付きません。これは、活用されていないのではなく、一人称である話し手の判断を表すため一人称に活用されていると考えてください。

  法助動詞はwillの他にもいろいろありますので、ここでご紹介いたします。

  いずれの文も、法助動詞の後に続く動詞は、実際に起こったことではなく頭の中に浮かんだことであることに注意してください。

 will

willは、「推測(だろう)」、「意志(つもり)」、「傾向(ものだ)」の3つの使い方があります。
He will come.
(彼は来るだろう)
I will climb Mt. Fuji.
(私は富士山に登るつもりだ)
Earthquakes will happen.
(地震は起こるものだ)

 

must

mustは、「高い圧力(しなければならない、違いない)」を感じる判断です。
He must go back home.
(彼は家へ戻らなければならない)
It must be true.
(それは真実に違いない)

 

may

mayは、「許可(してもいい)や可能性(かもしれない)」を表す判断です。
You may come in.
(あなたは入ってよろしい)
He may come.
(彼は来るかもしれない)

 

can

canは、「できる」という潜在性を表す判断です。
I can speak English.
(私は英語が話せる)

 

should

shouldは、「ほかに道は無い」という判断の意味を持つ法助動詞shallの緊張形です。

法助動詞の緊張形は、「過去」を表す場合もありますが、多くの場合はっきりしない判断を表します。

その意味で、
You should see a doctor.
(あなたは医者に会うほかに道は無い→医者に診てもらわなくちゃ)
は、mustの「しなければならない」の弱まった「しなくちゃ」くらいの感覚の判断です。

 

第3項 不定詞

  文を作る動詞として使われた動詞は、通常形・緊張形として「活用」(その時その場所でその動作主が行った個々の動作を表す)された形であるのに対し、活用されない形で使われる動詞は「不定詞」(原形)と呼ばれ、個々の動作を表しません。

  そういう意味で、不定詞は、通常形と同じ形ですが、意味合いが少し違います。

 

その1 to不定詞

  不定詞の前に「到達」を意味するtoを付けたもので、不定詞の多くはこの形で使われ、文を作るときの個々の動作の動詞から外れた動詞として、主語を持つ文を作る意味としてではなく、動詞だけの意味を表します。

名詞のような使われ方
I want to go.(私は行きたい) I wantだけでは何か(目的語)が足りません。そこに、to goが来て、目的語になっています。
To study English is interesting.(英語の勉強は面白い) 文の先頭には主語が来ます。そこにTo study Englishという語が来て、主語となっています。

形容詞のような使われ方
John gave me a book to read.(ジョンは私に読む本をくれた) a bookの後にto readが来てa bookを後ろから説明しています。

副詞のような使われ方
I went to Morioka to eat “wanko-soba”.
(私はわんこそばを食べるために盛岡に行った) I went to Moriokaの後に、to eat “wanko-soba”という目的を表す状況補語が付いています。

 

第4項 分詞(ぶんし)



 分詞とは、動詞の動作中・動作後の局面(様子)を表したものです。

 動作中                 現在分詞              ing
 動作後                 過去分詞              規則動詞 ed       不規則動詞 さまざま

 現在分詞の形は動詞の名詞形として使われ、それは動名詞と呼ばれます。

 

その1 進行形と完了形

 分詞を使うことにより、その時行われている様子を表現したり(進行形)、その時までに動作が終わっていることを表したり(完了形)することができます。

 進行形は、be動詞を使いbe動詞の後に動作中の様子を表す現在分詞を置くことにより表現します。

 完了形は、have動詞で動作後の状態を持つことにより表現できます。

現在形            I break the glass.(私はガラスを破る)
 現在進行形      I am breaking the glass.(私はガラスを破っている)
 現在完了形      I have broken the glass.(私はガラスを破ってしまった)

 

その2 未来の表現の補足説明

 時制のところで取り上げたように、未来のことを表すのに一番多く使われるのが、willという助動詞(じょどうし)を使った

I will leave Japan tomorrow.(私は明日、日本を離れるつもりです)
のような表現ですが、そのほかにも、進行形を使った
I am leaving Japan tomorrow.(私は明日、日本を離れる最中です)
のような表現、
進行形と不定詞を使った
I am going to leave Japan tomorrow.(私は明日、日本を離れるよう進んでいます)
のような表現や、あるいは
I leave Japan tomorrow.(私は明日、日本を離れる)
のような通常形そのままでも未来のことを表すことができます。

 

その3 能動態(のうどうたい)と受動態(じゅどうたい)

  John broke the glass.(ジョンはガラスを破った)のような他動詞文では、動作を行う人・物が主語として文頭に現れ、次に他動詞、さらにその後に他動詞の目的語が続きます。このような動作を行う人・物の立場から表現するものを能動態と言います。

  それに対して、このような他動詞文の目的語を主語として、目的語の立場から表現するものを受動態と言います。

  受動態はbe動詞による状態文で、be動詞の後に動作の終わった状態を表す過去分詞を置いて表現します。

The glass was broken by John.(ガラスはジョンによって破られた)